本を読みましょう。最近「名作」「古典」と呼ばれる作品を中心に読書活動を繰り広げていますので、それらの
解説やランク付けをここでしていこうと思います。お役立てください。
読みやすさ、面白さ、ためになりやすさを無神経に☆☆☆段階評価しています。
■ラディゲ「肉体の悪魔」(新潮文庫)
「禁じられた遊び」と同じく、官能小説だと誤解している人も多いのではなかろうか。
少年が人妻(19歳だけど)に恋をし、子供まで生ませてしまうという筋なので官能小説とも言えますが、
行為の描写は控え目です。恋に狂う少年の心理を一人称で徹底的に描き抜く筆力は流石。作者17歳のときの
作品というところにも注目だ。
よみやすさ:☆☆ 文庫で160ページと短めですし
ためになる:☆ 特に人生や恋愛の指針になるわけでは
おもしろさ:☆ 展開としてはよくある系?
■プラトン「パイドロス」(岩波文庫)
プラトンといえば「饗宴」「国家」「ソクラテスの弁明」ですが、たまたま妹がこれを持っていたので読みました。
パイドロスというのは作中でソクラテスと対話している男の名前です。倫理の授業で習ったとおり、プラトンは
アリストテレスと他の人物の対話篇という形でソクラテスの思想を文章にしていますが、岩波文庫にある「メノン」
「ゴルギアス」(かっこいい!)といったタイトルも人の名前です。
で、内容のほうはというと当時はやっていた「弁論術」に対する批判が作品のテーマと目的です。
とりあげられている文章が恋(美を求める魂)についてで、ソクラテス=プラトンの魂に関する思想が
読める。でも所詮古代人の思想なので現代人からみると不完全なことおびただしく、見ちゃいられねえって感じです。
よみやすさ:☆ なんですかその喋り方は。弁論術とやらが裏目に出たな
ためになる:☆ 古代ギリシャ人の思考回路が分かりますが、それ以上のものはないのでは
おもしろさ:× 上に同じ
追記:ここまで書いてからamazon.comのカスタマーレビュー(ここ)をみたらかなり笑えました。
■G・ドゥルーズ&F・ガタリ「千のプラトー」(河出書房新社)
2003年現在、80年代に出た本書を凌ぐ「現代思想」はいまだ登場していません(たぶん)。それぐらいすごかった本。現代のすべてはこの本の中に書かれているんだってさ!
いわゆる哲学書ですが、この本の興味はむしろ社会学や精神分析に向いている。そのため文学的内容や表現が多い上に、マルクスとフロイトの思想をかなりの程度理解していないと分からない話が多い。でも出てくる言葉がいちいち刺激的で、素人にも面白さだけはヒシヒシと伝わって来る。
友人(悪い奴)曰く、こういう本は便所に置いといてクソしながら少しずつ読むものだ、とのこと。それも分かる。
よみやすさ:× 無理です
ためになる:☆ 客観的に見るとこの評価。
おもしろさ:☆ 本文を参照のこと
■三島由紀夫「金閣寺」(新潮文庫)
吃音を持つ主人公は、僧侶の道を歩むため父のつてで鹿苑寺(通称金閣寺)に入門し大学に通うが、人格を歪ませるような出来ごとが次々に起こり、いろいろあって(ここが物語のキモ)金閣を焼かなければならぬと決心し、ついに夜中の金閣に忍び込んで火を放つ。
三島由紀夫の代表作とされている例の作品。実際の事件をもとに三島の想像によって再構成された主人公(犯人)の心の動きは、難解なところもあるが、常に薄暗く冷たい雰囲気で綴られ読んでいて逆に気持ちいい。やっぱ三島由紀夫の描く「屈折したインテリ」は最高だゼーッ!
よみやすさ:☆☆☆意外と現代の作品なので
ためになる:☆ 別に
おもしろさ:☆☆ ストーリーだけでも読ませる
■シェイクスピア「ハムレット」(新潮文庫)
デンマークのハムレット王子は城に現れた父の幽霊の言葉から、その死が王位を継いだ叔父による謀殺であったことを知り、計略を講じて復讐を図るが…
これとマクベス、ロミジュリは何ヴァージョンか読みましたが、白水社の小田島雄志訳のほうが良かったように思います。カチッとした正統派のドラマで、いい者と悪役がはっきりしていて現代人には新鮮かも。
よみやすさ:☆☆訳によって異なる
ためになる:☆☆ どこかで見た名台詞の数々が出てきます
おもしろさ:☆☆ 結構引き込まれるんじゃないですかね